いじめ自殺のこと


マンガ「3月のライオン」5〜7巻には、いじめをテーマにしたエピソードが何話かあって、いじめグループに対する怒りと被害者側の苦しみと傍観者に対する絶望を一緒くたに感じてしまって、読み進めるのがツラかった。いちおう決着は着くんだけど、ひなちゃんの友人は転校したまま戻って来なかった。でも、転校したひなちゃんの友人が戻ってきたら問題解決だとは全く思わない。緊急避難先で穏やかに暮らしていければ良い。
最後に「いじめた側に何の罰則もないのは許せない」と、ひなちゃんは言う。うん。僕もそう思う。けれど、いち読者としては、いじめの話が終わってくれてホッとしている。読むのが苦しかったからね。


近ごろ話題の大津市いじめ自殺事件のニュースを見ていると、もし報道の通りなら最悪レベルで非道い話で思わず怒りが込み上げてきて、感情を抑えるのに時間がかかっている。

で、どうすれば良いのだろう?と考えて、思ったことを以下に綴る。

  • 学校はジャングルだ

学校は弱肉強食のジャングルであり、喰うか喰われるか、生きるか死ぬか、いじめるかいじめられるかの世界なのだ。ヘマをして、いやヘマしなくても、猛獣どもに目をつけられたら最期、死ぬまで自殺の練習をさせられてしまう危険な敵性フィールドだという認識を持つこと。受験戦争で生き残るためには競争相手は少なければ少ないほど有利だから、生きるチカラのないヤツから真っ先に肉食獣に喰われてしまうぞ気をつけろ! ついでに言うと、オトナ社会もジャングルだぞ!

  • ジャングルに用はない

いじめを受けている人に対して「それでも、この世界で生きていて良いんだ」と思ってもらうためにはどうすれば良いのだろう? いじめを受けて自殺した人は「こんな非道い世界に用はない。こっちから願い下げだ」と思ってあの世へ帰ったのかもしれない。「生まれてきたけど、この世界に私が存在していてはダメらしい。では、さようなら」と。

  • オアシスはどこに

いじめ自殺した人は、すでに死んでいるワケで、自死する前に「それでも生きていこう」と思ってもらえなかった時点で失敗していると思う。自殺した人を取り巻く環境が失敗している。生きていて欲しいのに、自殺念慮のある人に「ツラくても生きよう」と思ってもらえるような受け入れ体制になっていない問題。
いやらしいのは、日本社会はタテマエでは優しいオアシスのフリをしているんだけど、実際は厳しいジャングルだということなんだよね。