言葉を窒息させているのはダレ?

  1. はてブの人たちが偉そうにしている理由 - 琥珀色の戯言 はてなブックマーク
  2. 『はてな』を窒息させる「理論派ブックマーカー」 - 琥珀色の戯言 はてなブックマーク
  3. 「現実」と「当然の権利」 - 琥珀色の戯言 はてなブックマーク

「権利」を持ち出されてきたようですけど、fujiponさんはご存じないのかな?
異論・反論を嫌う者が権力を持つと、ロクなことにならないのを。
(今回も長文なので、ネガコメ論争に興味のある方だけどうぞ)
最近、海外ドラマ「24シーズン5」を観ていて、そこには自分に害を及ぼす者を抹殺しようとする権力者の姿が映し出されています。まあ24はドラマでありフィクションですが、同様の事は現実でも起きています。

例えば、

  1. 中世ヨーロッパの魔女狩り(1500年〜1600年代)
  2. ナチス・ドイツゲシュタポ(1933年〜1945年)や大日本帝国特高警察(1913年〜1945年)などの秘密警察
  3. オウム真理教を批判していた坂本堤弁護士(当時33歳)が、妻(同29歳)・長男(同1歳)と共に一家殺害された事件(1989年)*1
  4. イスラム教に対する批判的小説「悪魔の詩」の著者:サルマン・ラシュディ氏への死刑宣告(1989年)と翻訳者:五十嵐一助教授の暗殺(1991年)
  5. ロシア政府(プーチン政権)を批判したアンナ・ポリストコフスカヤ記者の暗殺(2006年)*2

僕はあまり詳しくないので思いつくのはこの程度ですが、歴史や社会学,宗教学などに詳しい方なら多くの事例を挙げられることでしょう。上に挙げた例のうち、西暦の間違い等ございましたら指摘してください。

さて、上に挙げた事例とはてなブックマークがどうして結びつくのか?と疑問に思う人もいるでしょうから関連を示します。

  • 活動の障害となる異分子を抹殺したい、と思う気持ち

と、

  • 言論の障害となる反論者を封殺したい、と思う気持ち

この2つの根源は同じです。「目障りな邪魔者は消えて欲しい」という欲望は同じだと思います。自分の活動に対して批判する者を殺害する行為と、自分の言論に対して批判する者を黙らせる行為は、口封じの意味においては同じなのです。


実は、はてなを息苦しくしているのは、こういう「ネットの中では、常にみんなが『議論』を望んでいるのだと疑わない人たち」の存在も大きいのではないでしょうか。
〜 中略 〜
「人気エントリ」になれば、書き手の大部分は、アクセス解析などを経由して、自分のエントリにつけられた「ブックマークコメント」を目の当たりにするのです。
言ってみれば、「自分は『理論派』だと思い込んで、あちこちに議論を吹っかけているブックマーカー」っていうのは、
〜 中略 〜
「訓練」したいなら、そういうのをやりたい連中だけでやってくれないかね、迷惑だから。

ある記事に対してブクマで反論する「理論派ブックマーカー」をfujiponさんは批判しておられます。私ははてなブックマークの利用者として、fujiponさんの批判を批判として受け止めますし、fujiponさんに黙って欲しいとは思いません。今後も自由に語っていただきたい。

しかし、fujiponさんは「理論派ブックマーカーは迷惑だから、議論をやりたい連中だけでやってくれ」と、理論派ブックマーカーの隔離を願っておられます。fujiponさんの主張を意訳すると、「理論派ブックマーカーに黙れとは言わないが、どこか遠くへ行ってくれ」または、「理論派ブックマーカーの否定的なコメント(ネガコメ)は目障りだから、議論を望まない一般ブロガーの目の届かない特別施設へ隔離して、二度と娑婆に出て来られないようにしておくれ」とも読めます。【←これはtakoponsによる超意訳なので注意】

まあ、はてなブックマークのたかだか100字程度のコメントで本当に理論的に語れるのか?といった素朴な疑問もありますけど、fujiponさんが記事タイトルに「理論派ブックマーカー」と称されるからには、きっと理論的なのでしょう。

fujiponさんが、


「訓練」したいなら、そういうのをやりたい連中だけでやってくれないかね、迷惑だから。

と、理論派ブックマーカーを迷惑がって、「そういうのをやりたい連中だけでやってくれ」と記事に書くことと、体制の権力者が反体制の異分子を隔離・拘束することは、「邪魔者を排除したい」という点においては変わらないと思います。

  • 反感・嫌悪・イヤな感じ

人は誰しも、自分と相反する思想の持ち主のことを不快に感じるし、「なんだこいつ?」「嫌い」「バーカ」「邪魔だ」「目障りだ」「黙れ」「あっちへ行け」「消えろ」「死ね」などと思ったりします。これらは自然に湧き起こる感情です。もちろん、takoponsにもあります。
理論派ブックマーカーと称される人(具体的には誰か不明ですが)も、ある記事を読んで最初に浮かぶ感情は「反感」かもしれません。その反感の感情をそのままストレートに書かず、理論的に表した結果が理屈的なネガコメ(事実確認・指摘・疑問・異論・反論・批判)になるのだと思います。


僕は以前、「管理人が不快感を覚える可能性のあるコメント」のことをネガティブコメントとし、それを大きく4つに分類しました。(参考:ネガティブコメントのガイドライン

1. 事実確認(便宜上「第一種ネガティブコメント」とする)
2. 異論・反論・批判 (便宜上「第二種ネガティブコメント」とする)
3. 誹謗・中傷・侮辱(便宜上「第三種ネガティブコメント」とする)
4. コピペ(荒らし)(便宜上「第四種ネガティブコメント」とする)

何か意見を述べるブログにおいては、上の二つは「避けてはいけないコメント」だと思うのですね。

理論派ブックマーカーの発するネガコメは、引用した4分類の1.と2.に該当するでしょう。

  • 批判と悪口の違い



ただし、そもそも反対意見しか出ないような議論というものもあります。反対と賛成が入り混じって、最後まで結果が出ない事もあります。そして、反対意見が多いものは事実ではないというわけでもありません。「地球は丸い」と言っても信じてもらえなかった人も昔はいました。
この例に沿うと、「本当の議論」を求めているはずの「地球は丸い」というエントリに対して、「なぜ地球は丸くないのか」を誰も証明しようとせず、「地球が丸いなんて言ってるお前はゆとり」とか、「地球は丸い教信者乙!」とか「人格攻撃」ばかりが行われているのが問題だということに、なんで気付かないのだろう?

この例に沿うと、反対意見を述べる理論派ブックマーカーは「なぜ地球は丸くないのか」を証明しようと試みていると思います。それなのに、どうしてfujiponさんは、「本当の議論」を求めているはずの理論派ブックマーカーまで迷惑がるのだろう?


でもね、「生きていれば悪口を言われることだってある」というのは受け入れざるをえなくても、「だから俺がお前の悪口を言うのは当然の権利だ」と自信たっぷりに主張することが「正しい」とは思えないんだよ。

理論派ブックマーカーネガコメ(事実確認・指摘・疑問・異論・反論・批判など)は、悪口ぢゃないと私は思います。批判は悪口ぢゃありません。ですが、誹謗・中傷・侮辱・罵倒・嘲笑・愚弄・人格攻撃などは悪口と思っていいでしょう。人格攻撃は悪口です。
人によっては、自分に向けられた質問や批判の言葉を「人格攻撃だ」と感じて悪口として受け取ってしまう人もいると思います。そういうナイーブな人(批判耐性の低いブロガー)にとっては、賛同や共感以外の否定的なコメントは全て悪口になってしまうのだろうと思われます。
fujiponさんは、批判と悪口を混同されてませんか?

  • チョッチ、おさらい
  1. 感情をそのまま書く人Aがブログ日記aを公開する
  2. その日記aを読んだ理論派ブックマーカーBがネガコメbを書く
  3. ネガコメbを見たブロガーAが感情の赴くまま感じた不快感を日記cに記す
  4. 日記cを読んだ理論派ブックマーカーBが理論的なネガコメdを書く
  5. ネガコメdを見たブロガーAが、「はてなブックマークはなんだかよく分からないけどキモイ」と、素直な気持ちを日記eに記す
  6. 日記eを発端に、はてな界隈ではてなブックマークネガコメ論争が勃発し、何度も何度も再燃する
  7. id:fujiponさんが「理論派ブックマーカーは迷惑だから、議論をやりたい連中だけでやってくれ」と意見表明
  8. はてな界隈にて、はてなブックマークネガコメ論争がまたまた再燃(←今ここ
  • 感情派ブロガーは今こそ結集せよ!

これまで、はてなブックマークに対して嫌悪感を表明する人というのは、ただイヤだ嫌だと言うだけの感情論に終始していたように思います。池田信夫教授もはてなブックマークを批判しておられますが、「はてなブックマークは俺が消せないから嫌なんだ」と、結局のところ、好き・嫌いの感情論の域を出ていません。
ですが今、社会的地位もあり、読書家で頭も良くて弁も立つfujiponさんが登場されました。今まで自分の不快な気持ちをうまく言い表せなくて、論理的なことが書けずに悔しい思いをしてきた感情派ブロガーの皆さんは、今こそfujiponさんのブログに集結し、自分たちの嫌な思いをfujiponさんに代弁してもらいましょう。
そして、みんなの感情を集約した理論的な意見をfujiponさんに執筆していただき、はてなブックマークを批判する理路整然とした記事を公開してもらい、憎き理論派ブックマーカーどもを駆逐して邪魔なヤツらをネットから抹殺しようではありませんか!


ポジティブ!ポジティブ!賛成!賛成!反論者は口を裂かれます。ポジティブ!ポジティブ!賛成!賛成!批判者は黙っておきましょう。ポジティブ!ポジティブ!賛成!賛成!

ネットを感情派ブロガーたちの天国にしよう!ポジティブ!ポジティブ!賛成!賛成!批判や反論の一切ない、我らの理想郷を築こう!ポジティブ!ポジティブ!賛成!賛成!

fujiponさんが「理論派ブックマーカーを隔離してくれ」と意見表明することと、オウム真理教麻原彰晃が「坂本堤弁護士をポアしろ」と教団幹部に命令することは、「邪魔者を排除したい」という点においては変わらないと思います。ここで、「fujiponさんと麻原彰晃を同列に扱うのはfujiponさんに失礼ぢゃないか?」とのご指摘が来るであろうことは承知の上で書いてます。失礼を承知で、あえて引き合いに出してます。ええ。fujiponさんと麻原彰晃は全く違います。全くの別人です。ただし、「自分にとってイヤなものを自分の目の届かない所に押しやりたい」と願う、その一点においては同じだと思います。ある種の幼児性です。

  • 「ことば」を窒息させているのはダレ?

もしも、オウム真理教の派生である教団アーレフ(名前が変わっただけで中身は同じ)が自分たちの住む所にやってきたとしたら?地域住民は「出て行け!」と立ち退き要求をするでしょう。そりゃあ、地下鉄にサリンを撒くような凶悪テロ集団の関連組織が近所に越してきたら私だって嫌ですよ。

でもこの構図って、なんだか似てると思いませんか?

  1. 自分たち宗教組織を守るために、教団に対する批判活動を行っていた坂本堤弁護士を妻と1歳の幼児と共に一家皆殺しにしたオウム真理教
  2. 自分たち共同体を守るために、近所に引っ越してきたアーレフに対して退去勧告をする地域住民
  3. 自分のブログを守るために、記事に対して反論してきた理論派ブックマーカーを除外しようとする感情派ブロガー
  4. 自分の体を守るために、侵入してきた病原菌を殺菌する白血球
  5. 自分を守るために、危害を加えてきた他人を殺す自己防衛

自然な感情であり、自然現象でもあります。


でも、「嫌なヤツだから」って、本当に殺していいの?
「理屈っぽくて嫌なブックマーカーだから」って、本当に排除していいの?
ねえ、言葉を窒息させているのはダレ?

  • 通常、他者の心魂は不可侵な領域だから

他人の心を変えるより、自分が変わったほうが早いですよ。


クェス「その話わかるよ。地球の人って頑固で変わんないくせに、自分の奥さんや旦那さんだけは替えるでしょ。だからシャアはいろいろやって見せてさ、人の可能性見せようとしてんのよ」

しかしその後、シャアは地球にアクシズを落とそうとするのであった!(続きは逆シャアで観てね♪)

  • 最後に

この記事を読んで、「極論だ」「話が飛躍しすぎ」「fujiponさんとオウムに関連は一切ない」「強引に話を結びつけている」「fujiponさんに謝れ」などといったご指摘やご批判はあるかと存じます。それら非難の言葉があれば、takoponsは甘んじて受ける所存でございます。
なお、


今回もfujiponさんにはトラックバックを送らないので、お答えいただかなくても結構です。


そもそも、ネガティブブックマーカーには、自分で面白いブログをやっている人は皆無だし。
〜 中略 〜
当ブログのようなツマラナイ記事をお読みいただくワケには参りません。fujiponさんのお目汚しになるといけませんのでトラックバックは送りません。あしからず。

拙記事のような、fujiponさんを批判する内容を見るのはおイヤでしょうから、今回もトラックバックは送りません。何卒ご了承ください。

以上です。

*1:坂本弁護士一家殺害事件では、TBSがオウム教団幹部の抗議を受け、坂本弁護士のインタビュー映像を見せたことが犯行の発端となったのではないか?と言われている。TBSは、オウム教団幹部にインタビュービデオを見せたことを否定し続けた。→TBSビデオ問題 - Wikipedia

*2:ロシアでは1999年〜2006年の間に126名のジャーナリストが死亡、もしくは行方不明となっているらしい。→アンナ・ポリトコフスカヤ - Wikipedia