Windows XPにも対応!の意味

意味不明な事を言うスレ - takopons - はてなハイクより

このLANケーブルのパッケージに貼ってあるシールの文言「Windows XPにも対応!」って、意味不明だよなーと思って冒頭のハイクに挙げました。
Windows XPにも対応!」

うん。 間違ってない。 間違ってはいないんだけど、意味不明です。

はてなハイクで反応された方々は、この文言の意味不明さが分かっておられるだろうと思うので「クスッ」と笑ってもらえたらそれで良いのです。

技術的には、「伝送路の話をしているのに、なんで特定のOS名が出てくるの?」といった疑問や、「正確に『RJ-45ポートを実装した機器に対応!』と記述すべき」という意見や、「LANケーブルの製品説明にOSが登場するのは場違いだよね、おかしいね」、「これはプロトコル・レイヤーが違う。どのくらい違うのかと言うと、1層(物理層)と7層(アプリケーション層)くらい違う。つまり全然違うんだ」などの感想が聞かれるかと存じます。

そう、違うんですよ。*1

これを道路とクルマに喩えると、
高速道路に入ろうとしたら、インターチェンジの案内板に

トヨタ車にも対応!

と表示されている光景を想像すると、冒頭の写真の意味不明さが伝わるでしょうか。

いや、ちょっとニュアンスが違うな。*2

こっち↓ですね。

クルマを運転していて、高速道路に入ろうとしたら

ビル・ゲイツにも対応!

と表示されている案内標識のほうがより正確だと思います。*3

つまり、LANケーブルのパッケージに「Windows XPにも対応!」と書かれていることは、喩えるなら高速道路の入り口に「ビル・ゲイツにも対応!」と表示されているに似たり。 トヨタのディーラーで渡された新型車のパンフレットに「ビル・ゲイツにも対応!」と記載されているにも似たり。

さて、技術至上主義で理系な人たちは、ここまで「うふふ」と微笑んでいただければ私は満足なのですが、ここからもう一歩だけ踏み込んで考えてみます。

  • なぜ、「Windows XPにも対応!」の不思議な文言を載せたのか?

LANケーブルを製造・販売している企業*4なのだから、この一文が意味不明であることはじゅうぶん過ぎるほど分かっているハズ。 パッケージに貼るラベルのデザインをどうするか?で打ち合わせもあったことでしょう。 この文言は要る・要らないでモメたかもしれない。
結論は、
大半のPCユーザは、「自分が今使っている環境や最新OSで使えるか?」が関心ポイント。 だから、「Windows XPにも対応!」と明記する。 それが意味不明だと分かっていても載せる。*5
ということだろうと考えます。
市場原理って、たぶんそういうものだと思います。 技術や理屈は、一般消費者の前ではあまり役に立たないから。

以上、意味不明な事を言う記事でした。

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      • このスレ主(どないせいっちゅうねんさん)みたいな人は、自宅PCにLANポートがないことを知らずにLANケーブルを買ってきて、「『Windows XPにも対応!』って書いてあるぢゃないか!詐欺だ!」ってメーカーにクレームを言ったり掲示板で文句を書いたりするんだろうね。 そして、「100BASE-TXのLANカードを増設すれば良いですよ」というアドバイスにも悪態をつくんだろうね。 助言を受けて逆ギレするようなヤツにパソコンを使って欲しくないんだけど、そういう人たちを相手に商売しなきゃならないのは大変だろうなーと思う。

*1:厳密には、「ADSL CATV ISDN にも使用できるLANケーブルです」の説明も少しおかしい(もちろん間違いぢゃない)のですけれど、ここは足まわりに関する部分だからまあいいかな、と。

*2:車の喩えだと、6層(プレゼンテーション層)の意味に捉えることもできそう。

*3:人間なら、乗り物に依存しないので7層(OSI参照モデル)の比喩に近くなるから。

*4:写真のLANケーブルは、Harmonet:協和電線産業株式会社さんです。 http://www.harmonet.co.jp/

*5:確認はしてませんが、今だと「Windows Vistaにも対応!」と謳われているのかな。