初心者向けの記事こそ細心の注意を払うべき
何かを始めよう・調べようとする初級者の貴重な情報源であるインターネット。*1 その中でも、初手の情報として有用な記事を提供しているのが All About。
その All About の気になる記事がブックマークされていたので、ここに取り上げたい。
ブログを楽しむために注意したいマナーとは - All About
この記事の記者:根本佳子さんは、ご自身のブログを持っているのだろうか? そして、日々、管理・運営しているのだろうか? との疑問が生じた。 というのも、トラックバックに関する記述に違和感を覚えたからだ。
ブログには、別のブログの関連記事へリンクした際に、相手の記事にも自分の記事へのリンクを張ったことを通知する「トラックバック」という機能があります。
ブログを楽しむために注意したいマナーとは - All About
そうですね。
しかし、
1.トラックバックをしたら相手に報告を
(中略)
「あなたの記事を私のブログ内でトラックバックしました!」と相手に報告(トラックバックを送るページの紹介とURL)してあげると親切ですね。
ブログを楽しむために注意したいマナーとは - All About
これは、おかしい。 何かヘンだ。
まず、言葉がおかしい。 前段で、トラックバックは「別のブログの関連記事へリンクした際に、相手の記事にも自分の記事へのリンクを張ったことを通知する」機能だと書いてある。 つまり、「トラックバックは相手への通知機能ですよ。」と言っている。
にも関わらず、『「あなたの記事を私のブログ内でトラックバックしました!」と相手に報告してあげると親切ですね。』とは、いったいどうなっているのか?
- 通知の報告
『「あなたの記事を私のブログ内でトラックバックしました!」と相手に報告してあげる』ことは、すなわち、「あなたの記事にトラックバックしたことを、同じ相手に報告してあげる」ことになる。 短く言うと、「あなたに通知したことを、あなたに報告してあげる」と。 通知したことを再度、報告する二重送信だ。 何でも2つあると安心だね?
いっそのこと、「弊社の手続き上の都合により、この通知が既にあなた様の元に届いておりましたら、大変お手数ですが、このご報告を破棄してくださいますようお願い申し上げます。」とでも付け加えたら、もっと丁寧になるかもね。
- トラバ送信
「あなたの記事を私のブログ内でトラックバックしました!」の一文は、正しくは、「あなたの記事を私のブログ内で言及(または、紹介・リンク)しました!」であろう。 そして、その報告はトラックバックを送信した時点で既に完了している。
根本佳子さんはトラックバック ping を送信した経験がないのだろうか?
- 根本佳子さん
根本佳子さんは、パソコン全般やネット周辺のコトに詳しいナビゲーターとして活躍されている。 何冊か書籍も出されている。
日経のSmartWomanというWebサイトにて、ブログについて語っておられる。
第30回 ブログってなに?:ブログの基礎知識
第32回 5分でできる!? ブログデビュー:ブログサービスを利用しよう
はてなブックマークのコトも紹介されている。
第50回 ソーシャルブックマークを活用しよう(1):はてなブックマーク
第51回 ソーシャルブックマークを活用しよう(2):はてなブックマークの応用
基本的な使い方・入門レベルの記事を書いておられます。
であればこそ、「トラックバックの際には別途、報告するのがマナーだ」と多くの読者に読み取らせるようなコトを書くのはやめていただきたいものである。
初心者向けの記事こそ、誤解を生じさせないように細心の注意を払うべき。
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*1:もちろん、中〜上級者もネットを活用している。 初心者との違いは、取捨選択のフィルタリングである。 最初は鵜呑みでもいいが、トライ&エラーを繰り返す中で真偽を見定める眼(まなこ)が養われるハズだよねそうだよね? そうだと言って!