「すべからく」のこと、その4

近ごろ、「すべからく 意味」といった検索語でのアクセスが少なくない。そこで昨年の「すべからく」の記事を思い出して続きを書いてみる。

  • takoponsの仮説


「すべからく」を使う人って、プライド高いんだろうなー。

「すべからく」の用法が正しいか間違っているかに関係なく、文章や発言の中に「すべからく」の言葉を使う人はプライドが高いのではないか? または、自分の教養の高さをひけらかしたいか、語彙の多さを見せつけたいか、見栄を張りたいか、背伸びした表現を使いたいか、のいずれかだろうと思われる。
自分のプライドの高さに見合った言葉=「すべからく」を使いたい、という虚栄心が働いているのではないだろうか。

  • プライドのこと

プライドが高いこと自体は別に構わないし大いに結構だが、プライドの高い人というのは、自分の間違いを認めなかったり、他人から何か指摘されたらナゼか攻撃的になって自分を守ろうとする傾向があるように見受けられる。これは恐らく、自分のプライドを死守したいからなのだろう。
自分のプライドを守りたいがために、指摘者を無視したり、質問者を非難したり、真実から目を背けたり、判断を誤ったりするくらいなら、そんなプライドなんて要らない。邪魔なプライドなんかゴミ箱に捨てちまえ!
と、僕は思う。




  • sci98さんとの対話の続き

2008年9月、私(takopons)は、sci98さんからの条件付き質問に答えました。

sci98さんからの質問↓


(1)takoponsさんは「すべからく」は必ず「べし」を伴わなければならない、と考えていますか?

上記質問に対する答えが「はい」ならば、それを裏付ける記載のある辞書をお示しください。念のため言いますが、「『べし』を伴うことが多い」とか「『べし』を伴う用例が記載されている」ではダメですよ。「『べし』を伴うことが多い」というのは「多くはないが『べし』を伴わない場合がある」ということで、「必ず伴う」という主張の反例にしかなっていませんし、「『べし』を伴う用例が記載されている」というのは「『べし』を伴う場合がある」という主張の裏付けにしかなりません。

上記質問に対する答えが「いいえ」ならば、次の質問をどうぞ。


(2)takoponsさんは「べし」を伴わない「すべからく」には「当然」という意味はない、と考えていますか?

上記質問に対する答えが「はい」ならば、それを裏付ける記載のある辞書をお示しください。念のため言いますが、「『べし』を伴う用例が記載されている」ではダメですよ。「『べし』を伴う用例が記載されている」というのは「『べし』を伴う場合がある」という主張の裏付けにしかなりません。

上記質問に対する答えが「いいえ」ならば、「『すべからく』は『べし』を伴うとは限らない。『べし』を伴わない『すべからく』は『当然』の意味で使われ得る」ということでよろしいかと。

赤字はtakoponsによる加工)

私は上記2つの質問に答え→続・「すべからく」のこと←今度は私からsci98さんへ質問を投げかけました。

しかし、sci98さんからの回答は得られず、代わりに苦言を呈されてしまいました。


takoponsさんの追加質問についてちょっと苦言を述べさせていただきます。takoponsさんの前回エントリーのタイトル「すべからく用例を確認すべき 」、これこそ誤用ではないかと疑問を持たれる一文です。takoponsさんは「すべしを伴っているのだから誤用と思われる心配はない」と思っているのかもしれませんが、話の流れ的には、「すべて」の意味、すなわち誤用だと判断する方が自然です。正直言うと、この部分にはあきれました。それを自覚しないまま相手に質問を投げかけても答えを期待するのは難しいでしょう。

太字はtakoponsによる加工)

私の記事タイトル「すべからく用例を確認すべき」の「すべからく」は、「すべて」の意味で使ってなどいません。
なぜ、どうして、『話の流れ的には、「すべて」の意味、すなわち誤用だと判断する方が自然』となるのですか? sci98さんが呆れるのはご自由ですが、私にはまったくワケが分からないのでご説明願えませんでしょうか?

いや、私が間違っているならいるで全然OKなんですよ。ただ、なぜに間違っているのか?を知りたい。そして、「なるほど確かに僕が間違っていたね。僕の誤用だったね」と納得したいのです。

今はまだ、sci98さんの苦言に対して理解も納得もできていません。

  • まとめ(前回分の質問も含む)
  1. 「べし」を伴う場合と伴わない場合の2パターンの記述が大辞泉に明記されていたのですか?
    • それとも、「べし」を伴う場合と伴わない場合の2パターンの記述はsci98さんの解釈ですか?
  2. 「まったく逆の記述がされていました」とは、何が逆なのですか?
    • ちょっと辞書を調べてみたんですけど、「『すべからく』は『べし』を伴う場合のみ『当然』の意味を持つ。『べし』を伴わない『すべからく』に『当然』の意味はない。」という旨の記述はありませんでした。それどころか大辞泉には「多くは下に「べし」を伴って、ある事をぜひともしなければならないという気持ちを表す。当然。」つまり
      1. 「べし」を伴う場合…「ぜひとも〜しなければならない」
      2. 「べし」を伴わない場合…「当然」
      と、まったく逆の記述がされていました。
  3. 「すべからく」を「当然」に置き換えることはできても、「当然」から「すべからく」への置換はできない場合がありますよね?
  4. すべからく用例を確認すべき」←この記事タイトルがなぜ「話の流れ的に誤用だと判断する方が自然」となるのですか?
    • さっぱり分からないのでご説明願えませんでしょうか?