リテラシーを語るリテラシー

近ごろ話題の江原啓之さんに関連して、そのうち何か書こうかなーと思ってるんだけど、はてなブックマークで面白い記事を見かけたので、私が書こうと思っていたこととは別に、はてブ経由で知った記事について触れてみたい。

上↑の、『オーラの泉』はコント番組〜の記事のコメント欄に注目して欲しい。 2008/02/01 5:00現在、220件を超える多くのコメントが寄せられている。
これはおそらく、麻生千晶さんによる、


しかし、江原さんに対しても、いくつか疑念の声が聞こえてくる。テレビ批評で知られる作家の麻生千晶さんは、

  「江原さんはご立派な方なのかもしれませんが、超能力があるというのなら、『望まれていない』『経営が悪化していない』ということがなぜ分からなかったのですかね。以前に、自分が殺されることが分かっていなかった占い師がいたことを思い出します。そもそも、私は、スピリチュアルなんてみな、いかがわしいと思っています。占いなどは隠花植物のようにひっそりとやるものです。信用していないのに視聴率稼ぎに利用するテレビ局と、どっちもどっちですよ」

 と手厳しい。

上記のコメントを見た人たちが「麻生千晶」をキーワード検索して辿り着いた「麻生千晶ブログ」の当該記事に対して賛否両論さまざまな意見を書いているものと推測される。

寄せられているコメントをざっと眺めてみたところ、江原啓之オーラの泉)肯定派と否定派の応酬となっている模様。

その中にあった、どちらかと言うと否定派サイドと思われるコメントを以下に引用する。


メディア・リテラシーを、信者に説いてもムダ。
まず設問が理解できてない。
ネット接続してるとは思えない人種だよね。何世紀の連中かと。
この158番さんは、「江原啓之信者にメディア・リテラシーを説明しても意味ないよ、(信者は)ネット接続してるとは思えない人種」として、江原啓之オーラの泉)肯定派=時代遅れであると批判している、と私は読んだ。 言い換えると、「信者のメディア・リテラシーは低いが、オレ(158番さん)のネット・リテラシーは高いぜ」との比較とも読める。

話は変わって、麻生千晶とはいったい何者なのか? いくつかの説を紹介する。


どうも「作家の麻生千晶」というのは実在しなく「映画監督のアラン・スミシー」みたいな存在で、夕刊紙が何かの悪口を書くときの勝手に使用してもいいパブリックドメインなのではないかという気がする。

麻生千晶パブリックドメイン説。


麻生 千晶(あそう ちあき、1938年2月8日 - )は日本の作家(女性)。岡山県出身。東京大学文学部フランス文学科卒業。髄膜炎の闘病記『心のノート 千晶、いのちの記録』が死後に出版された少女とは同姓同名の別人である。

麻生千晶は女性の作家で、「心のノート」の著者(1998年に病没)とは別人であり、今もご存命らしい、という説。


麻生○晶という人物そのものは、実在している。だが、その人物が、実際にかかれてあるようなコメントをしたか、あるいは本当にそう思っているのか、あるいは記者がいちいち電話してその人物にたずねたのかというと、そういうわけではなく、記者が、自分(あるいは自社)の意見ではなく、だれか権威ある人物の意見であるとした方が都合がいいときに、この人物の名前をかたって、自分の意見を書いているにすぎない。

麻生千晶という人物は実在するが、記事中にコメンテーターとして登場する麻生千晶の正体は匿名の記者である、という説。


つまりは、フジサンケイに都合のものを書くキャラクターということなのだろう。コメント中身はともかくキャラクター設定としては筋が通っている。

ということで、矢立肇ダークサイドってことでいいんじゃないの?ときょうは思ってます。

麻生千晶はフジサンケイ・グループの記事内に引用されるキャラクターだろう、という説。


キャラ設定まで用意して、発言に矛盾が生じないようにしているらしい。 この話が本当だとすると、便利なペンネームだ。半分は架空の人物なワケだから、麻生千晶がどんなコメントをしても恥はかかないということになる。 もちろん、麻生千晶の名を借りたメディア側が恥をかくことになるかもしれないけれど。

麻生千晶=共同ペンネーム説。(サンライズの「矢立肇(やたて はじめ)」みたいなもの)

諸説まとめると、

麻生千晶は実在する女性の作家であるが、芸能記事にたびたび登場する麻生千晶は、作家の権威づけのために記者が使用するパブリックドメインであるらしい。

となるだろうか。

ちなみに、当ブログ:takoponsの意味は「麻生千晶」のキーワード検索による来訪者が少なくない。


話を戻す。

  • それは誰が書いてるの?
  1. J-CASTニュース : 爆笑司会番組が大惨敗 太田光「偉くなりすぎた」 はてなブックマーク
  2. 江原啓之がフジを痛烈批判 「虚偽の提案でだまされた」(J-CASTニュース) はてなブックマーク

上の2つの記事↑に出てくる麻生千晶さんは、共同ペンネームとして使用されている架空の人物という認識で良いと思う。

が、しかし、


麻生千晶ブログを書いているのは麻生千晶ぢゃないんですよ!
麻生千晶ブログの管理人は栗先生id:kurimaxさん)なんですよ!
麻生千晶ブログは「麻生千晶ならこう書くのではないか?」という模擬実験なんですよ!(たぶん)


ってことを冒頭記事「『オーラの泉』はコント番組と同じ様式だった - 麻生千晶ブログ」のコメント欄に書く人は、ナナメ読みした限りではまだいないようだ。

「いや、既に書いてる人がいるよ!」とのご指摘があればどうぞ。


以上、他人のリテラシーを指摘すると、逆に自分のリテラシーが問われてしまうブーメランになるかもしれないので注意しよう!というお話でした。
もちろん、takoponsもね。

たまたま通りがかった私が「麻生千晶ブログ管理人=栗先生」と知っていたから今回の記事は書けたけど、もし知らなかったら私も先のコメント欄にて論争してたかもしれないし、江原啓之さんは本物かどうか?的なサムシングを書いていたかもしれない無知の知

  • 最後に

冒頭記事のコメント欄において、肯定派と否定派は「江原啓之さんを信じる・信じない」「心霊現象を信じる・信じない」辺りでモメてるようだけれど、麻生千晶ブログの管理人が麻生千晶であると信じて疑わない点は、肯定派と否定派のどちらも共通しているのが実に興味深い。

んー、私は、「麻生千晶ブログの管理人は麻生千晶だ」と誤解してしまう人は多いだろうなーと以前から思っていて、それは誤解ですよーと指摘するなら「麻生千晶とは?」って説明から始めなくちゃいけなくて、でもそれを説明したところで、誰が麻生千晶の名を騙ってもおかしくはないような気がして今まで黙ってましたすみません。

麻生千晶」に登録商標とかライセンスとかあるのだろうか? もし、あったとしたら自由に使えないかもねー。


(追記 2008/02/01 15:31)

  • 麻生千晶ブログを開くとCPU使用率が上がってしまう。
    • Flashの影響かな? 古いPCなので他の作業に支障あり。
  • 左サイドバーのアバウトミー栗先生のプロフィールが貼ってあるのを見ていない?
    • 私も今気づいた; まあ、サイドバーを見なくても、さいわい知っていたから良いけど。 URL(アドレスバー)の "motezemi" で関連が分かるのでした。
  • 麻生千晶はフジ系列の記事に登場する専属コメンテーター?

(追記 2008/02/01 20:42)

セルクマ*1しようとして書いていたら長くなったのでココに追記。


私自身がテレビ局から虚偽の提案を受けたとなれば、その真相は明らかでありませんが、どちらにしても私自身が不覚また迂闊に騙されたことは事実

テレビという虚構の世界を代表する番組:オーラの泉と、フジテレビから虚偽の提案を受けたと主張する江原啓之さんを題材にしたブログ記事――ネットの世界に創られた麻生千晶ブログの管理人:麻生千晶という虚像の手のひら――そのコメント欄に肯定派と否定派が集まって論争している光景を眺めていると、真実と虚構との違いはどこにあるのだろう?と思う。
そういえばこの前、眠くなり布団にもぐり込んで目を閉じると、極彩色豊かな物体?が部屋いっぱいに広がっていて、まるで機械のように動いていたなあ、とても美しい光景だったなあと思い出す。 でもあれは幻。 ハッキリと見えたけれど、幻覚だと分かる。
まぶたを開くと真実が現れ、まぶたを閉じると虚構が広がる。
本当にそうか? 実は逆ぢゃないのか?
イシスのヴェールは剥がれないよ。

(追記おわり)

*1:セルクマ:自分の記事をはてなブックマークに登録すること。