もしも、あの世が存在しなかったら?

  • 存在センサー

このたび、米国ハーバーバード大学の研究所にて最新のセンサー技術を用いた装置が開発されました。 最先端の科学技術によって開発された、その名も「存在センサー」。 開発スタッフの方(かた)にインタビューしたいと思います。
記者:「どんな点に苦労されましたか?」
サラ:「ないものを証明するという困難なミッションに成功して、とても満足していますわ」
記者:「これで、霊も神も存在しないことが科学的に実証されましたね」
サラ:「ええ。存在しないものに対して、怖がったり、崇めたり、祈ったりするのは非合理的でバカバカしいことです」

  • 製品化

製品化された存在センサーは空輸され、心霊番組のスタジオに持ち込まれた。 早速、検証が始まった。
シ工原:「亡くなったお母様がここに来ておられます」
司会者:「では、機械のスイッチを入れてください」
センサー:「・・・」
司会者:「センサーは無反応ですが……」
シ工原:「いえ、ここにおられます」
センサー:「・・・」
司会者:「センサーが反応しないということは、存在しないということでは?」
シ工原:「いや、確かにここに居て、私に話しかけておられるのです」
司会者:「それって、妄想ぢゃあないの?」

  • 市販化

存在センサーが市販化され、霊などいないことが一般に認知されるに従い、世の中に少しずつ変化が現れてきた。

  1. 葬式が廃止となった。 死んだ人間はただの肉なのだから、火葬して役所に届けてそれで終わりとなった。
  2. 葬儀屋が次々に潰れた。
  3. お墓がなくなった。 死んだ人間は霊にはならないのだから、先祖の霊を祀る必要もないワケで、墓を代々受け継ぐ意味もなくなった。
  4. お寺の住職が失業した。
  5. 霊感商法などの悪徳詐欺事件がなくなった。 存在しないものが祟ったり呪ったりするワケがないので、誰も騙されなくなった。
  6. 詐欺師がマジメに働くようになった。
  7. 宗教団体が激減した。
  • 小型化

当初は2ドア冷蔵庫ほどの大きさだった存在センサーが、改良に改良を重ねた新素材の適用により携帯電話並の小ささになり、価格も安くなった。 その名も「イグジステンス・ケータイ」、略して「イグジス」。 今回は開発リーダーの方(かた)にインタビューしたいと思います。

記者:「どんな点に苦労されましたか?」
マイケル教授:「小型化という困難な命題に挑戦して見事、成功した。我々の魂を注ぎ込んだ結果だ。」
記者:「お言葉ですが先生!魂というものは存在しないのではありませんか?」
マイケル教授:「Yes. 霊や魂など存在しない。言葉のアヤだよ、君ィ」

  • 普及

小型化・低価格化したイグジスは爆発的に普及し、今や小学生までもが持つようになった。

  1. イグジスを学校に持ち込み、存在チェックごっこが流行る。
  2. たまに誤作動で反応しない場合があり、存在チェックに反応しなかった子供は「存在しないもの」としてイジメの対象となった。
  3. 自分で自分に存在チェックを試み、これも誤作動で反応しない場合があり、「自分は存在しないのだ」と悩んで自殺する者もいた。
  4. 学校や職場にイグジスを持ち込むことが禁止される。
  5. 1台のイグジスに対して、もう1台のイグジスで存在チェックを行ったところ、ごくまれに存在エラーが発生する現象が起き、回収騒ぎに発展する。
  6. 存在するかしないかは人間自身の感覚で分かるハズだ、機械に頼るのはやめよう。という運動が起こる。
  7. 霊やオーラは、現代科学で捉えられる範囲の外にあるのではないか?という疑念が生じる。
  • そして
  1. 魂や霊は、形而上の概念であって、実際には存在しないのだ。と主張する哲学グループが論文を発表する。
  2. 論文に対抗するように、霊や神は存在するとして、霊能者が活動を再開する。
  3. あの世が存在するかしないか、今はまだ分からない。



おしまい。

  • 参考(今回の記事を書こうと思ったネタ元)

オーラの泉「江原啓之は霊感商法」 (ゲンダイネット)

  • ちなみに

私(takopons)は、学生時代の不思議な体験によって、霊や神様は存在すると信じております。 霊や神が存在するのだとしたら、鬼や悪魔もいるでしょうよ。

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