ジブリのこと

宮崎駿監督が引退したらスタジオジブリは終わるぢゃないかな。(セルジオ越後風に)

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大衆がジブリを発見したのは「魔女の宅急便」直前であって、ユーミンがアニメなんぞの主題歌を歌ったことは画期的だった。トトロなんて公開時にはガラガラだったもんねーっ。

日テレやヤマト運輸と組んで「魔女の宅急便」の宣伝活動を行い、スタジオジブリの名を一般に広めたのは鈴木敏夫プロデューサー(鈴木P)の功罪の「功」でしょう。(功罪の「罪」はゲド戦記。これはあとで書く)
>トトロなんて公開時にはガラガラだった

となりのトトロは、「火垂るの墓」と同時上映で、宮崎駿高畑勲両監督の知名度はまだ低かったですから。ガラガラだったのはしょーないかと。



ジブリ作品は現在国民的アニメと呼ばれてて、現在トトロを好きな人がポニョに集まる”って話じゃないの? 当時の評価は関係なくない?

トトロ公開当時(1988年)の評価(知名度の低さ)とはあまり関係ないかもしれませんけど、日テレによる宣伝「魔女の宅急便」以降、「ジブリ=トトロのような家族全員が素直に楽しめる映画を作るアニメ制作会社」という固定観念は植え付けられたと思います。その固定観念を持って「ハウルの動く城」や「ゲド戦記」を観に行った人は(悪い意味で)期待を裏切られただろうと。
スタジオジブリのトトロ的な作品は、「となりのトトロ」だけだということにそろそろ気づいたほうが良いと思う。*1

先月、日テレのジブリ祭りで放送されたゲド戦記を見て泣いた。いや、正確に書くと、ゲド戦記を見た翌朝、脳内補完されたゲド戦記の夢を見て泣いた。泣きながら目が覚めた。うん。良い夢だった。

ここで2006年に劇場公開されたゲド戦記の感想を述べる。言いたいことは多々あるけれど、公開から2年経ち、いろいろと評され語り尽くされているだろうから簡単に。

  1. 必然性がない
    • 登場人物のセリフや行動に脈絡が無く、必然性が感じられない。
    • 例えば、冒頭で主人公:アレンは王(父)を刺殺し、魔法の剣を奪って逃げるのだが、あの王様には、息子が「剣くれろ」と頼めばホイと渡してくれそうな雰囲気があった。なのに、どうして突然刺し殺すの? ←この疑問の答えらしきものが中盤(手嶌葵の歌の後)で語られるが、納得できる回答ではなかった。
  2. 距離感がない
    • 場所移動に距離と時間が感じられない。あと、声に違和感アリ。
    • 声については、例えば、画面外にいるキャラクターの声が大声で聞こえたり、画面中央どアップで映っているキャラがぼそぼそしゃべっていて聞こえなかったり、といった声の遠近感が変。セリフ内容に関しては、無理に言わされてる感が強い印象。
  3. BGMが自己主張しすぎ
    • 「ここは盛り上がる場面だぞー!俺の曲を聴けー!」という感動しろしろ的な音が前面に出すぎていて、絵が負けている。何より、映画を見ている私が物語の中に入っていけてないので逆にシラケてしまった。
  4. 床への映り込みが変
    • 冒頭の宮殿内と終盤の塔のシーンで、登場人物の姿が床に映り込む。宮殿内は良いとしても、おそらくは磨き込まれてないであろう塔の屋上での映り込みには疑問を感じた。
    • 絵に凝るのも良いけど、もっと練ったほうが良い部分が他にあるのでは? シナリオとか、セリフとか。王とゲドが二人とも「まさかな」とつぶやくのは語彙の乏しさですかギャグですか?

以上、ゲド戦記はシュールな作品(否定的な意味で)と言える。

宮崎駿監督が引退したらスタジオジブリは下請け企業に成り下がるんぢゃないか? 宮崎吾朗では後継者になれないでしょ。

ジブリを儲けさせたのは鈴木Pだが、「ゲド戦記」を作ってジブリをダメにしたのも鈴木Pだろう。鈴木Pの暴走を止めるチカラのある人間がジブリ経営陣に居ないと思われる。宮崎駿監督も鈴木PにはNO!と言えないのではないか?*2

スタジオジブリは日本を代表するアニメ制作会社であり、国民的アニメと呼ばれ、ジブリ・ブランドというものが確立している。しかし、「ゲド戦記」はジブリ・ブランドを壊した。「ゲド戦記」は、ジブリ・ブランドへの期待と信頼を裏切った。と私は思っているのだが、他の人たちは日テレによる洗脳が解けていないのか?(「ゲド戦記」の部分は「鈴木P」に置き換え可)

ジブリに匹敵する知名度を持った、ライバルとなるアニメ会社がないのも問題か。(アニメ制作の実力ぢゃなくて、会社の「知名度」ね。Production I.Gとかマッドハウスとか知らないでしょ。)

企業内プレゼンの場においてダメな製品を見せられた場合、ブランドの確立した企業の経営者なら、「こんな駄作は我が社のブランドで出すわけにはいかん!」と怒るだろう。マトモな経営者なら即却下だ。例えば、トヨタが「有名なカー・デザイナーの息子だから」という理由で素人の設計したクルマを売るだろうか? Appleが「スティーブ・ジョブズの息子だから」という理由でリード・ジョブズのデザインした製品を売るか? いや、売らないだろう。試しに作らせることはあっても出来が悪ければお蔵入りとなるハズだ。

しかし、鈴木Pは違う。「スタジオジブリのネームバリューと俺の宣伝力と原作のチカラと親の七光りを使えば、ゲド戦記で行ける。宮崎吾朗で行ける。国民を騙せる」と考えたのではないか? そんなダメな発想をしたんぢゃないか? ブランドに頼ったアプローチだったのでは?

で、鈴木Pの詐欺行為プロモーション活動にまんまと騙された国民が大勢映画館に足を運んでしまったから、ゲド戦記は76.5億円の興行収入(2006年の邦画1位)を記録したワケです。2006年公開のアニメ映画は、細田守監督の「時をかける少女」が良かったのに。

いやー、映画って、作品内容(質)ぢゃなくて、宣伝次第(量)なんですねー。(棒読み)

*1:今、20周年記念で「となりのトトロ」を劇場公開したら大入りになるかも?と思ったけど、日テレで定期的に見られるし、レンタルできるし、客席満員は難しいかな。興行成績とは別に、ポニョとトトロのどちらが面白いか楽しいか。

*2:アニメージュで「風の谷のナウシカ」の連載に深く関わったのは鈴木P