続・学歴のこと

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  • いい学校・いい会社・いい人生

さて、アンカテのessaさんの記事から引用します。
『いい学校・いい会社・いい人生』という物語 - アンカテ はてなブックマーク


私は中学生くらいの子供を持つ母親と話す機会がけっこうあるのだけど、30代くらいのお母さんたちは、ここで言う『いい学校・いい会社・いい人生』という価値観を固く信じている。
その信念をどれくらい自分の子供に押しつけるかということには大きな個人差、バラツキがあるけど、彼女たち自身はこれを固く信じていることがかなり多い。『いい学校・いい会社・いい人生』つまり自分の子が「ブランドつきのいい子」のまま育てば、幸せが約束されているという信念はまだまだ根強い。
〜 中略 〜
私は、自分が話が上手いとは思ってないので、自分自身が説得できないことは織り込み済みである。問題は、自分よりこういう話が上手い人なら説得できるかどうかということだ。私の感触としては、本当にこれは誰がどう言っても考えを変えないだろうなあ、という気がする。
たとえば、ビジネスの現場では「ブランドつきのいい子」はもはや評価されないという話をするとしよう。事例として、ネットのベンチャー等を持ち出したら「それは特殊な世界の話」「別の世界の話」と思われてしまう。だから、なるべく彼女たちが想定する仕事のイメージに添った所で、同じ話をする。そうすると、「表向きは違うように見えるが、結局評価されているのはブランドの方である」という受け取り方をする。
事例としてあげる仕事の現場が彼女たちの想定外だと「それは違う世界の話」、想定内だと強引にこちらの意図と違う解釈をする。

母親たちがessaさんの話に納得しないのは当然でしょう。事例としてあげるなら、まずessaさんの勤める会社の採用実績を提示してみてはいかがですか?*1


essaさんのお勤めになっている株式会社ブレーンの採用実績ですが、


      大学  大院   他   合計
─────────────────────
2006年    8名   1名   3名  12名
2007年    2名   2名   1名   5名
2008年    7名   1名   0名   8名

ん? 株式会社ブレーンの2008年採用実績は、大卒7名、院卒1名、他0名の計8名ですね。高卒、専修学校卒、高専卒、短大卒の方々からの応募はなかったのでしょうか?

株式会社ブレーンの2006〜2008年の採用実績をグラフに表してみました。

大卒(68%)と院卒(16%)を合わせると84%です。卒業後、株式会社ブレーンに就職しようと思ったなら、大卒以上の学歴を持っていたほうが確率は高い(有利)ですね。母親たちを説得したいのなら、まずはessaさんがご自分の会社の採用実績を変えて、「他」の比率をもっとUPさせてから説得なさってみてはどうでしょうか?

2006〜2008年の間だけで見ると、「他」の採用人数は3→1→0名と減ってしまってます。これぢゃあ母親たちの説得は難しいです。私も納得できません。

  • 募集要項

株式会社ブレーンの新卒募集要項には応募資格が明記されておらず、その代わりなのか?給与例が載ってました↓


給与:
大学院卒:月給22万1900円
大卒:月給21万3000円
※2007年度実績 住宅手当、能力手当を含む

一方、中途募集要項には応募資格が記載されています↓


資格:
高卒以上、ソフトウェア開発経験2年以上
中途採用では学歴はさほど問題にされず(高卒以上)、業務経験(ソフトウェア開発経験2年以上)が問われています。つまり、新卒者には業務経験がないので、学歴が問われることになるワケです。分かりやすいですね。
で、なんで新卒採用時に学歴が重視されるのか?と言うと、一般に仕事ってのは問題解決のことであり、この問題解決能力の高い人材は高学歴の人に多いだろう確率的に、といった理由で学歴が判断材料に使われているのです。「ブランドつきのいい子」はビジネスの現場(の入り口)で評価されてるってワケですね。
以上。

*1:アルファブロガー:中島拓さん(id:essa)は株式会社ブレーンの研究部部長です。→株式会社 ブレーン:人事担当者ブログ:リクナビ