しが県民芸術創造館から村八分にされた北村想さんの話
北村さんのブログは、うつ病に関しての話が山ほど出てくる。うつ病を語るというより、生きていることを語るときにうつ病の話が当然のように出てきて。そしていつ死ぬかわからない連続の線という感じがする。
滋賀県大津市出身の北村想さんは、しが県民芸術創造館の初代館長として2006年4月から任期3年の予定で就任されました。しかし、2007年末に退任してしまいました。
fringe | トピック:しが県民芸術創造館長の北村想氏が任期途中で退任発表(2007/12/1)
北村氏の個人ブログ「北村想のポピュリズム」では、11月15日付から事の顛末を詳細に綴っている。同ブログによると、11月13日に開催された08年度の企画会議で主幹が突然「三年も同じミュージカルは要らんのです」と発言し、代替案を提案しようとすると「それも要らんのです」「要するに、あんたが要らんのです」とし、副館長や事業課長はなにも言わなかったという。
ミュージカルを公演した館の職員が、その監修・脚本を手がけた人(北村想さん)に対して「ミュージカルは要らんのです」と発言したり、職員が館長(北村想さん)に向かって「あんたが要らんのです」と発言したりすること自体が異常ですけど、それはひとまず置いて、他人から「お前は不要だ」と言われたら普通の人でも死にたくなると思います。
ましてや北村想さんは鬱病。なんでこの時に自殺しなかったのだろう?不思議です。自死のタイミングとしてはじゅうぶんアリだと思うのに。でも、自殺されなかった。
これは私の憶測ですが、おそらく北村想さんは「あんたが要らんのです」と言われ、自分の不必要性をご自身で再確認できて嬉しかったのではないか、と推察します。
- 館長退任の顛末
北村想ブログを読んだ限りでは、どうも↓こういう↓流れらしいです。(takoponsの想像も多分に含まれているので注意)
- 財団法人滋賀県文化振興事業団(以下、事業団):しが県民芸術創造館の館長は誰にしよう?
- 事業団:大津市出身の北村想さんでいいんぢゃね?
- 北村:雇用条件はこれでいいですか?
- 事業団:OKです。
- 2006年4月、北村さんが初代館長に就任。
- 北村:ミュージカルやろうよ!
- 北村:県民創作ミュージカル『フロタキコ』を上演し、成功。
- 滋賀県知事が代わった(2006年7月)ことにより、県政も変わる。
- 他の劇団関係者:『フロタキコ』が成功するなんて憎たらしい!恨めしい!
- 館職員:北村館長は週に1回しか来ないぢゃないか!不公平だ!
- 事業団:北村さんは邪魔だなあ。
- 館職員:北村さん、あんたもミュージカルも要らんのです。
- 北村:ぢゃあ辞めるよ。
- 2007年11月、記者会見で退任を発表。
- 事業団:よかったよかった。
文化を振興させない事業を行う財団法人なんか要らないよねえ。
ただまあ、体制側の役人にとって、北村想さんのような人物は元々受け入れ難いものがあったかもしれません。ぢゃあ何故わざわざ呼んだのか?というと、館長のイスに黙って座ってくれる、館長にふさわしい肩書き・経歴を持つ人が欲しかっただけでしょう。対外的なメンツや権威を保つために。
以下、北村想さんのブログより。
- 登場人物(肩書き)
名前・肩書き等に間違いがあったらご指摘ください。
- 前哨戦
- 北村 想 の ポピュリズム: 欲しがりませんカツまでは・1
- 北村 想 の ポピュリズム: 欲しがりませんカツまでは・2
- 北村 想 の ポピュリズム: 欲しがりませんカツまでは・3
- 北村 想 の ポピュリズム: 欲しがりませんカツまでは・4
- 北村 想 の ポピュリズム: 欲しがりませんカツまでは・5
- 北村 想 の ポピュリズム: 欲しがりませんカツまでは・6
- 北村 想 の ポピュリズム: 欲しがりませんカツまでは・7
- 北村 想 の ポピュリズム: 欲しがりませんカツまでは・8
- 本戦
- 北村 想 の ポピュリズム: 報告
- 北村 想 の ポピュリズム: ウィトゲンレントゲン
- 北村 想 の ポピュリズム: 変身
- 北村 想 の ポピュリズム: 変身・2
「『フロタキコ』は要らんのです」とヘノウエが言い出したのである。「三年も同じミュージカルは要らんのです」と言う。そこで、「では代替案を考えましょうか」と提案すると〜〜、「それも要らんのです」と言う。もちろん私は首をひねる。「どういうことかな」「要するに、あんたが要らんのです」と言う。
- 北村 想 の ポピュリズム: 変身・3
- 北村 想 の ポピュリズム: 変身・4
- 北村 想 の ポピュリズム: 変身・5
- 北村 想 の ポピュリズム: 変身・6
- 北村 想 の ポピュリズム: 変身・7
- 北村 想 の ポピュリズム: 変身・8
- 報告
- 戦後処理
- 北村 想 の ポピュリズム: たとえば
- 北村 想 の ポピュリズム: 誠実な答
- 北村 想 の ポピュリズム: 地勢学
- 北村 想 の ポピュリズム: 去就のコトバ
- 北村 想 の ポピュリズム: 罪と罰
- 北村 想 の ポピュリズム: カーテンフォール
私が得た『フロタキコ』二年の成果は、演じた少年少女たちへの、演劇の〔毒〕の効用のみでいい。それは彼らの胸中深くしみこんで、やがて彼らの生きていく世間のさまざまな毒の免疫抗体となるであろう。
- 北村 想 の ポピュリズム: 番組の途中ですが
上の引用部分は、
人間関係というものは、基本的に毒の行き来が存在することが起きうるものだと思う。相手から渡されたものに毒を感じてしまったときは。その毒を毒とばかり感じているか、その毒に自分にとっての薬を見出せる要素があるのか無いのか。なんてとこ。
につながりますね。
- 関連
- 財団法人滋賀県文化振興事業団
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