そのたとえはおかしい
【比喩の指摘パターン】
- その喩えはおかしい、と指摘する人のパターン
何かを主張するために喩え話を用いて説明しようとした際に、「その喩えはおかしいのでは?」と指摘する読者(コメント者)のパターンについて。
例えば、主張したい「本論A」と、自説を強化するための「喩えB」があったと仮定します。
- 「その喩えはおかしい」と、読者から指摘されてしまう理由
- 本論に納得できないから
- 喩えBの是非ではなく、本論Aに納得できないから。
- 喩え方に問題があるから
- 本論Aと喩えBの共通性(マッチング)に違和感があるから。
- 喩えBの喩え方(内容)に納得できないから。
- 本論と喩えの両方にNo!だから
- 本論Aに同意できないし、本論Aと喩えBの関連性も薄いと思ったから。
- 比喩禁止条約の京都はてな議定書に反するから
- 議論混乱に関する国際はてな連合枠組条約の京都はてな議定書に批准している読者からの指摘によるもの。
- 議論混沌化対策における比喩禁止条約に従い、喩え話の危険性については口をすっぱくしてでも言っておかねばならない症候群。
- 喩え話は功罪の「罪」の部分が大きいため、なるべく比喩を禁止したいから。
- 比喩の功罪の「功」は読者の理解促進(ただし、喩え話を納得してもらえた場合のみ有効)。
- 一方、功罪の「罪」は喩え話の妥当性に議論が移行してしまい、本論が置き去りにされて本末転倒になること。これは、議論のための議論――ギロン議論のメタギロン――ギロンとギロン集めて、もっとギロンし・ま・しょ♪になりがちなので注意したい。*1
上記いずれかの理由によって、「その喩えはおかしい」の言葉が発せられる。
もし、「その喩えはおかしい」と指摘された場合、指摘した猫型ロボットがどういった理由で「いや、そのりくつはおかしい」と言ったのか?一度確認してみると良いかもしれない。
【喩え話の事例1】
- 本論A1
- 比喩B1
- 自宅の電話番号をハローページに記載しておいて、その電話帳を調べて電話をかけてきた相手に対して「俺の自宅に勝手に電話をかけるな!電話する前にひとこと電話しろ!マナー違反だ!」って言うのはおかしいよね?
この喩え話は、『トラックバックには通知の意味もあるのだから、トラックバックを送信する前に「今からトラックバックしますよ」と通知するのはおかしい』という共通認識がある人にとっては容易に理解できる。
しかし、トラックバック自体に通知の役割があることを知らない、または、トラックバックURLをWeb上に公開することの意味をよく分かっていない人にとっては、全く理解できない話となる。トラックバックの仕組みをよく知らない人からは、「その喩えはおかしい」と指摘される可能性がある。
また、一人一台ケータイ時代が到来し、自宅の固定電話にもナンバーディスプレイ機能搭載型が普及してきている現在、「電番のみの表示や公衆電話からの着信は取らない」「アドレス帳に登録されていない人からの着信には応じない」といった加入者も少なくないだろう。そーゆー人にとっては、比喩B1の話すら通じないかもしれなくて、「その喩えはおかしい」と指摘される可能性はあり得る。
【喩え話の事例2】
嫌がられているのは、「あなたの運転マナーの悪さ」です。 - 琥珀色の戯言
- 本論A2
- 日記をつけてるブロガーを追いかけまわして、「Webの厳しさを教えてやるぜ!」って威張るのは、そんなに気持ち良いのですか?嫌がられているのは「はてなブックマーク」ではなくて、「あなたのネットマナーの悪さ」です。
- 比喩B2
- 初心者マークつけてる車を追いかけまわして、「公道の厳しさを教えてやるぜ!」って威張るのは、そんなに気持ち良いのですか?嫌がられているのは「車社会」ではなくて、「あなたの運転マナーの悪さ」です。
本論A2は比喩B2からの逆アセンブルであり、私はfujiponさんではないので、本論A2に書かれた文章が筆者(fujiponさん)の意図と異なる可能性がある(ご注意ください)。比喩B2は、元記事の中の2つのセンテンスからそのまま引用した。
はてなブックマークのネガコメ問題に関して、本論A2だけを読むなら、さほど違和感はない。と言うよりむしろ、本論A2にはほぼ同意できる。
ところが、本論A2と比喩B2を対比させて考えた場合、
- 本論A2と比喩B2の共通性(違法性)と用語(定義)に関する疑問
- 比喩B2の内容についての疑問
の2つの疑問が生じるのであった!
では、その疑問の中身を挙げてみよう。
- 本論A2と比喩B2の共通性(違法性)と用語(定義)に関する疑問
- 「日記をつけてるブロガー」とはどんなブロガーなのか?言葉通りに解釈するなら、日々日常の身辺雑記を書いているブロガーとなる。もひとつ付け加えるなら、「何も誰も一切批判しないブロガー」であろうか?でも日記にだって愚痴や不満は書くよね?
- 「日記をつけてるブロガー」と「初心者マークつけてる車」は同列に語られるものなのか?
- 「日記をつけてるブロガーを追いかけまわ」すのは具体的にどんな行為なのか?それは違法なのか?
- 「Webの厳しさを教えてやるぜ!」って威張るのは具体的にどんな行為なのか?それは違法なのか?
- 「Webの厳しさを教えてやるぜ!」って威張るのは本当に気持ち良いのか?ホントにキモチイイと仮定した場合、それは違法なのか?
- 「あなたのネットマナー」とは何か?他人のネットマナーは自分と同じものなのか?
- 比喩B2の内容についての疑問
- まず、初心者マークをつけてる車に対して故意に(わざと)「幅寄せ」「割り込み」を行うのは違法行為である。
- 「初心者マークつけてる車を追いかけまわ」すのは明らかに危険行為ではないのか?かなり危険な運転ではないか?
- 『初心者マークつけてる車を追いかけまわして、「公道の厳しさを教えてやるぜ!」って威張る』のは、威張る以前に、法に抵触する行為ではないのか?そんなことで威張るなよ、かっこ悪い。
- 『「公道の厳しさを教えてやるぜ!」って威張るのは、そんなに気持ち良いのですか?』キモチイイかどうか知らんけど、「初心者マークつけてる車を追いかけまわ」す妨害運転は大変危険なのでやめてくれ。そんなヤツは車を運転するな。
- 「初心者マークつけてる車を追いかけまわ」すのは、「あなたの運転マナーの悪さ」ではなく、法に反する行為ではないのか?それはマナーぢゃなくてルールの話ではないのか?
- 「あなたの運転マナー」とは何か?他人の運転マナーは自分と同じものなのか?
疑問点は以上。
これらの疑問や法律法令・違憲合憲・正否判断・可否判定フラグなどの各種パラメータが複雑に入り混じって発せられた言葉。それが、「そのたとえはおかしい」である。
【気をつけろ!】
そして結論。
比喩に惑わされるな。うまい比喩を使っている人は決して侮れないぞ。反論が来たら比喩を犠牲にして本論を防御してくるから。
本論を守るために比喩を捨ててくるヤツがいるぞ!気をつけろ!
「初心者マークつけてる車を追いかけまわ」す行為は「違法な危険行為」なのか?というあたりが注目点です。
〜 中略 〜
「初心者マークつけてる車を追いかけまわし」は「規約や法で対処する範囲の問題」ということが前提となっていそうですけど、これって本当にそうなのでしょうか。
自論を守るために道交法を捨ててくる大魔王がいるぞ!気をつけろ!*2
説得を期待する相手に受け入れられなかったたとえ話を継続するのは、オセロの時、相手に取られた角をひっくり返そうと努力するくらい困難だとおもうのだけれど。
オセロゲームの話も比喩だぞ!気をつけろ!
- 参考