心までの到達力

  • 目よりも耳のほうがヤバイ

人間は、目から入る視覚情報よりも耳から入る音声のほうが心に到達しやすいのではないか?と、私は思ってます。
目から入った光には脳内フィルターがかけられて補正された情報が心に届けられるけど、耳から入った音はフィルターなしで直接ココロに届くような気がしています。

  • 神の声(音)>神の言葉(文字)

突然、「神の声を聞いた」と言って自分の利害を考えずに行動し始める人がいますが、もしその人が「神の言葉」を文章で見ただけだったとしたら、エネルギッシュに活動することはないだろうと思います。「神の言葉」には動じないけど、「神の声」には逆らえないのでしょう。
声の主は、実は悪魔かもしれませんよ。と書くと、天使の仕事を邪魔することになってしまいますね。

  • ラヂヲ放送

もしも、玉置宏の声で「ルリヲを殺しに行きなさい、今すぐバスに飛び乗りなさい」と脳内ラジオ放送が流れたら、パジャマ姿のままでバス停へ向かうかもしれません。もはや発狂です。

電話一本で大金を振り込んでしまうオレオレ詐欺がなくならないのは、音声がダイレクトに心を揺り動かして、思考力や冷静さの働く前に心に入って来るからなのではないか? 一方で架空請求ハガキによる被害もあるので、オレオレ詐欺は「音」だけが原因だと一概に言えるものではない、とも思ってます。ですが、音を聞く側には「心の壁」がないぶん簡単に心を支配されてしまう危険性があるのでは?と私は考えてます。

それでも詐欺はなくならないよ 聞いたんだよオレオレ詐欺には 壁がないんだよ

  • 文体の話

きたない言葉ときれいな言葉遣い

  • 攻撃的な文体でケンカを売っている(ように見える)文章は、読者のガードを強めることになるので、反発を受けて理解されにくくなる。
  • 丁寧な口調で書かれた意見は、読者の心のガードを下げる働きがあるので、自然に読んでもらえる。(山田ズーニー・メソッド)

と、以前書いたように、攻撃的な文体よりも「丁寧な口調」で書かれた意見のほうが読者の心に届きやすいと思います。何か伝えたいことがあった場合、なるべく丁寧な言葉遣いで文章を書いたほうが読者に伝わりやすいです。ただし、心に残る一撃必殺が要求されるキャッチコピーは別ですけど。

  • 緊張と緩和

攻撃的な口調で書いてる人は、最初から読者にガード姿勢をとらせているワケで、裏メッセージとして「これから書くことは用心して読め」と暗に伝えていると捉えると、実は案外、親切な人なのかもしれません。
逆に、丁寧な口調で書かれている文章は読者の心にスーッと入ってくるので、書かれた内容次第では危ないことになってしまうかもです。
もし、山田ズーニーさんが「何か特定の思想を植え付けよう」と、たくらんで文章を書いたとしたら、それを読んだ人は大変ヤバイことになっちゃいます。

  • 読者を傷つける言葉とは


どうやら複雑な感情が隠蔽されているようですね。私は改めて、罵倒やネガコメとはことばだけが表するものでなく文章からでもあると認識しました。

はてなブックマークのネガティブなコメントが一部で度々話題になっておりますが、罵倒や中傷を含む短い言葉だけが人を傷つける言葉なのではありません。汚らしい言葉を使わなくても人を傷つけることはあります。そして、丁寧な言葉遣いであればあるほど心に深く入ってきやすいので、書かれた内容によっては傷も深くなります。

分かりやすいものや受け入れやすいものほど、実は危険なのかもしれません。