横断歩道に関する道路交通法を調べてみました。

  • 本当に罰則はないのか?


信号のない横断歩道で、横断しようとしている人がいても、止まらなかった車に罰則があるわけではありません。

上の一文↑を読んで、「ホントに罰則はないのかな?」と思い、道交法を調べてみようと思いました。

まずは、条文を確認してみる。

  • 条項

道路交通法 第3章 車両及び路面電車の交通方法
 第6節の2 横断歩行者等の保護のための通行方法


(横断歩道等における歩行者等の優先)
第38条
 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。

要約すると、

  1. クルマは、走行中、横断歩道に接近する場合は注意が必要である。
  2. クルマは、横断歩道の周辺に、横断歩道を渡ろうとしている歩行者(または、自転車)がいるかどうか分からない場合は、いつでも止まれるように徐行しなければならない。
  3. クルマは、横断歩道を歩行者(または、自転車)が渡ろうとしている場合は、一時停止しなければならない。
  4. クルマは、横断歩道において、歩行者(または、自転車)の通行を妨害してはならない。
  5. クルマは、横断歩道の周辺に、横断歩道を渡ろうとしている歩行者(または、自転車)がいない場合のみ、通過して良い。

うーむ……実際には全然守られてませんね、この条文は。

次に、罰則を読んでみる。

  • 罰則

道路交通法 第8章 罰則


第119条
次の各号のいずれかに該当する者は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する。
 (中略)
2.第30条(追越しを禁止する場所)、第33条(踏切の通過)第1項若しくは第2項、第38条(横断歩道等における歩行者等の優先)、第42条(徐行すべき場所)又は第43条(指定場所における一時停止)の規定の違反となるような行為をした者

第38条(横断歩道等における歩行者等の優先)の規定に違反した者は、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金に処されることとなる。

というワケで、罰則はありそうです。 現状では、当局による積極的な取り締まりが行われていないだけなのかもしれません。

  • 横断歩道の実状


道路交通法によって、歩行者・自転車には道路横断時の横断歩道・自転車横断帯の使用義務(同法第12条)、車両には横断歩道・自転車横断帯における歩行者・自転車に対する譲歩優先義務(同法第38条)が規定されている。

しかし、信号のない横断歩道・自転車横断帯はドライバーのアンケートでもほぼ9割が停止しないと回答しており、その存在意義は薄く、歩行者・自転車の安全な横断を確保すると言う意味では実効性に乏しい標識となってしまっているのが現状である。

ペナルティが課されれば即座に一斉対応する日本人。 横断歩道のルールを守ってもらうためには、罰則を強化して適用するしか方法はないのだろうか?

  • もしものコーナー
  1. 罰則が強化され、横断歩道の取り締まりが厳しくなる。
  2. 日本全国すべての横断歩道に信号機が設置される。
  3. 取り締まり強化の人件費、または、信号機の全国設置のためにガソリン税自動車税が大幅に増税される。

上記1. と 2. のいずれにしても、ドライバーは自分で自分のクビを絞めることになると思うのであった。